稲垣えみ子(マガジンハウス)
この方のエッセイは2冊目。
原発事故をきっかけとした節電で、冷蔵庫まで止めた。
50歳になったのを機に会社(朝日新聞社)を辞めた。
その後が気になっていました。
そこには、想像していた以上の豊かな生活が綴られていました。
もちろん、モノやカネがある豊かさではなく、むしろその逆。
1食200円、準備が10分の豊かな食生活です。
美味しそうだし身体にも良さそうだけどシンプル過ぎかなぁ、
と文章だけ読んで思ってたけど、
写真を見たら私の想像力が乏しかったことがわかりました。
あとは『「A印」の憂鬱』に納得。
たしかにレシピの調味料の組み合わせに囚われると、
自分で味付けをする自由を忘れてしまうんだ。
全部は真似できないけど、ストウブでお米を炊いたり、
野菜を干したりしています。
料理の、食の自由をもっと楽しもう。
だからどんどん見た目も味も過剰になっていく。珍しい味、美味しい味の向こう側には、さらに珍しい味、美味しい味の世界が尽きることなく広がっていく。
その「過剰な世界」のことを私たちは「ごちそう」と呼んできたんじゃないでしょうか。そして多くの人が、食べ物ではなく、情報を食べている。本当に美味しいかどうかを感じることなく、美味しいと言われたものを食べることそのものに喜びを感じているんじゃないでしょうか。(「考えるな、感じろ」より)
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