生物と無生物のあいだ

福岡伸一(講談社現代新書)
読書を旅に例えた人がいたけれど、まさにそんな感じ。
言葉も通じない異国を、福岡ハカセがガイドしてくれて、
旅が終わる頃にはその異国に故郷の風景も見出だしてしまうような。


分子生物学にまつわるミステリーというか、近現代史というか。

この本を手に取ったタイミングが、

妊娠・出産を経た今というのは偶然ではないと思う。
私も自分のカラダを通じて生物の不思議を感じている。

文章としてもとても質が高く、

よしもとばなな、高橋源一郎、内田樹、茂木健一郎といった、
豪華な面々が推薦文を寄せているのも頷ける。

この本はいつか読み返すだろうし、

福岡ハカセのガイドでまた違う国を旅したいです。

 別の言葉でいえば、研究の質感といってもよい。これは直感とかひらめきといったものとはまったく別の感覚である。往々にして、発見や発明が、ひらめきやセレンディピティによってもたらされるようないい方があるが、私はその言説に必ずしも与できない。むしろ直感は研究の現場では負に作用する。これはこうに違いない! という直感は、多くの場合、潜在的なバイアスや単純な図式化の産物であり、それは自然界の本来のあり方とは離れていたり異なったりしている。
(「研究の質感」より)



▲a piece of cake 4u▽

ひと切れのケーキの力を信じて。 from岡山