丘の上のバカ

高橋源一郎(朝日新書)
この人の文章を余さず読みたい、と思う数少ない人のうちのひとり。

政治や民主主義や戦争、学校の教科で言えば「社会」を、
より身近に、自分事として感じさせてくれたのは、
この人の言葉の力によるところがとても大きい。

『ぼくらの民主主義なんだぜ』の続編で、朝日新聞論壇時評や紀行文、評論などを収めた本書。

「安保関連法案」に反対する国会前デモ(行った!)で感じたこと、
映画『ヤクザと憲法』(観た!)とメディアの萎縮について、
SMAP解散騒動と「自分の」ことばについて、
広島でのオバマ大統領の演説に感じた違和感、などなど。

ときに笑いながら、ときに唸りながら読み、
私も、アマチュアのまま、
この世界のことに「自分の」ことばを持つ大人でありたいと思ったのです。

 男性たちは勝手に「正義」や「報復」や「戦争」について怒鳴りちらすけど、そんなときでも、女性は家にいて、夕飯を作ったり、子どもの世話をしなければならなかった。
 まずなにより、「爆弾を落とされる側」のことがすぐに脳裏に浮かぶのは女性で、そして、実際に爆弾が落ちてくると、「ほんとうに迷惑だ」と思うのである。
(「もっと速さを」より)


▲a piece of cake 4u▽

ひと切れのケーキの力を信じて。 from岡山