よしもとばなな(文化出版局)
息子が生まれて、改めて読み返したこの本。
著者の子ども(チビちゃん)にまつわるエッセイ集です。
チビちゃんの行動やセンスのある言葉選びがときにおかしく、ときに切なく、
つい自分の息子と重ね合わせて読んでしまう。
チビちゃんくらいの大きさになったところを楽しく想像しつつ、
いましかないこの瞬間をますます愛しく想いました。
うとうとしている息子を胸に抱き、太陽の光を浴びる洗濯物を眺めながら。
「チビちゃんのホテル」「雲の上に」「平和な感じ」「ママ」「いっぱいのハート」が好きです。
いつかチビの未来の人生にもう私がいなくなってしまっても、こうやって話ができるといいのに、そう思った。言葉にするとそうだけれど、絵がうったえてくるものはそれ以上だった。
どんな芸術も子どもの心には負けてしまう、そう思わずにはいられなかった。子どものようにもういちど飛べることを願って、作家たちは今日も言葉をつむぎ、画家たちは絵を描いているのだと。(「雲の上に」より)
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